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LD(学習障害)とは?

LDの定義

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を示すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。
出典:「学習障害児に対する指導について(報告)」学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議 (1999)

LDの特徴

  LD(学習障害)という言葉は、一部の専門家や研究者が使う専門用語から、学校や教育関係者のあいだで広く使われる教育用語に、そして最近では、一般の人々の会話にも登場する日常用語としても目にするようになってきました。
  LDと呼ばれる子どもたちの特徴をひとくちで説明するのはなかなかむずかしいのですが、「LDとは、知的発達に大きな遅れはないのに、学習面で特異なつまずきや習得の困難をもつ子ども」ということができます。
  それは知的な発達全体の遅れからではなく、認知発達の部分的な遅れや偏りから起こります。 ここでいう認知とは、子どもが見たり、聞いたり、さわったり、運動をしたりするとき感じるさまざまな刺激を、脳の中に取りこむ高次な知的働きを指します。推理や思考等も認知過程の一部です。
  親の目からは、LDの特徴はどんな風に見えるでしょうか。 まず、 はっきり知能が遅れているとか、なにか障害があるとは思えないということです。でもなんでもないのかというと、その育ち方になにか他の子どもとは違ったひっかかりや気になるところ、育てにくさがあるというのがよく聞く共通点です。
  視覚や聴覚などの、知覚的な鋭敏さや鈍感さ、あるいはこだわりの強さなどは、認知面にその子ども特有の発達的特徴が反映しているからなのです。ADHDや高機能自閉症など、他の軽度発達障害にも共通するのですが、男児に多く見られるという特徴もあります。そのために男の子だから発達がゆっくりしているとか、元気がいいだけだとか、発達的に幼さが残りやすいなどと見過ごされやすいのです。

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  LDの特徴としては概念としても歴史が浅いので、他の障害との重複性や境界の判断がむずかしいということが挙げられます。また、軽度の発達障害といもいわれますが、そのわかりにくさが対応の遅れや困難さをまねくことから、必ずしも軽度という捉え方は適切でないかもしれません。
  LDは個性が強いだけで、障害あつかいするのはおかしいのではないかという声も聞きます。たしかに、できることとできないことがあったり、できかたにムラが多かったり、できるようになるのに時間がかかるといったこともあります。そうした特徴は障害と呼ぶ程のことではないと感じるかもしれません。
  だれにでも得意、不得意はあるし、苦手なことがないひとはいません。それこそが個性そのものではないかというわけです。しかし、LDのこうした状態は、親も含めてなかなかわかりにくく、気づきにくいというのが実際です。そのために子どもたちは知らず知らずに、的はずれな叱責や、無理な努力を強いられることが多く、結果としてたくさんの不利を子どもに背負わせてしまいがちです。
  LDは親のしつけ方や本人の努力不足ではないのです。なぜLDを障害と呼ぶかといえば、その障害は理解と支援を必要とする個性だからです。
出典:「増補版 LD・ADHD・高機能自閉症とは?」

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